『告白(清原和博)』なぜそこまで巨人に拘ったのか…

芸能界の誰が薬物で逮捕されても自分自身の人生には関係ない。だから基本的には興味がない。

でも、彼、清原が逮捕されたときだけは少し感情が違った。

なぜなのか、それは自分でもわからないが、きっと幼少期の頃にテレビの中で憧れた天才野球人がドラフトや巨人など運命に翻弄されて堕ちて行ってしまう姿がどうにも納得できず悲しかったからかもしれない。

別に自分自身が野球をやっていたわけでも、彼と知り合いなわけでもない。「どうして」とか「もしもあのとき」とか思ってしまったのは不思議である。

本書ではインタビュー形式で子供の頃から現在までを少しずつ振り返った内容をまとめた一冊である。編集がさすがの雑誌Numberなので、スポーツの側面からのインタビューは本当に上手である。

このインタビューを通して感じたのは、清原は本当に野球が大好きで、純粋で真っ直ぐすぎるのだろうということ。

彼がバットやグローブなどの道具を本当に丁寧に扱い、打った後もバットを投げることもないエピソードは有名で大好きだ。インタビューでもバットさえ持っていれば落ち着くことができ、家中のあちこちに置いていると語っていて、やっぱり野球が大好きなんだと。

一方でその純粋な気持ちは巨人にも向かっていたのか。バットは自分が大切に扱っていつでも一緒にいれるが、巨人とは相思相愛にならなかった。しかも、厄介なのは相手も自分のことが好きでドラフトで必ず1位指名してくれると信じ込んでいたこと。

ここまでドラフト1位で指名されると思っていて裏切られたと感じているからには、なにか密約があったのではないかと勘ぐってしまう。が、残念ながら本書でもそこは告白されていない。

好きな気持が純粋すぎて、追いかけたけど裏切られて、西武に入って日本シリーズでやり返したけれど、やっぱり好きな気持は忘れられなくて、ちょっと袖にされているのは分かったけど、それでも好きだからFAで巨人に行ってしまう。

やっと相思相愛になったかと思ったら、実はそんなことなくて、とりあえず女が上から目線で付き合ってあげてるの、くらいの扱いに見えてしまう。ああ、惚れたものの弱みか。

年齢と怪我で全盛期からは程遠い成績、巨人のプレッシャー、叩くマスコミとファン、と何も良いことがなかったように見えてしまうが、それでも巨人をやめない。どうしてそこまで拘ったのだろう。なにが彼をそこまでしたのだろう。

こればっかりは本人のみぞ知る世界だが、それでもやっぱり思ってしまう。

あのとき巨人に行かなければ

どうしてこんなことになったのだろう。と一番言いたいのは本人なのだろうが、もしあそこで違う道を進んでいたら、もっと違う、少年のように純粋に野球を楽しむ清原を見れたのではないだろうか、と思ってしまうのである。

ただ、残念ながら薬物に関する記載はほとんどなし。

ドラフト、桑田、薬物などもう少し踏み込んだ告白があるかな、と思っていたのでそこは少し物足りない感じだった。

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