読書 バッタを倒しにアフリカへ(前野ウルド浩太郎)

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穀物に多大なる被害を与えてしまうサバクトビバッタの研究のため、単身アフリカのモーリタニアへ。本書はモーリタニアに渡ってからのドタバタ研究劇である。

まず、この本の表紙にやられた。本屋で平積みになってて目が引きつけられて仕方ない。もう色物インパクト勝負に出ているようにしか見えない。

なんで新書なのに表紙が写真なの?顔が緑色なんですけど…日本人なのに「ウルド」ってミドルネームは何

と完全に出落ち感のありそうな新書だったが、その内容は決してふざけたものではなく、それどころか研究者という生き方の大変さと羨ましさが詰まった1冊だったのでした。

 

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そもそもモーリタニアってどこ?

というか、まずモーリタニアってどこ?ということでGoogle先生に聞いてみた。

アフリカ大陸の北半分の西側。海に面している国だけどほとんどが砂漠である、ということだけは地図で分かったので中に突入してみる。

日本を離れてアフリカ大陸の中でも日本から遠くはなれている国で、単身バッタの研究を進める。なんとも度胸があるというかすごい人である。

 

この本は研究内容ではなく人生日記である

研究所の人との出会い、試行錯誤のフィールドワーク、日本での研究費獲得、フランスでのファーブル家訪問などを経て、バッタの研究そのものよりも波乱万丈な生き方が描かれている。

なんと、まだ論文発表前だからバッタの生態に関する詳細なことは書けないのだとか。ちゃんと研究してないのかと思いきや、そんなことはなかった。いらぬ心配であった。ごめんなさい。

日本ではバッタやイナゴによる被害をあまり聞かないが、アフリカではサバクトビバッタが大量発生すると、まさにぺんぺん草も残らない状態になってしまう。

まだ生態の解明されていないサバクトビバッタを研究することで、食糧に悩まされるアフリカの国々を救う、これが真の目的である。

砂漠で研究するなかで、サソリに刺されたり、夜中に出歩いてたら迷子になったり、ハリネズミを飼ったりと、普通に生活する中では経験できないことが山盛り。

しかし、一歩間違うと死んでしまう環境を楽しめる度胸は本当に大したものである。

 

バッタに食べられたい

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夢はバッタに食べられること。バッタを食べるのではない。食べられるのである。

もう、言葉だけ見たら、何を言ってるのかサッパリ理解できない。いや、きっと映像を見ても理解できないだろう。多分無理。

が、著者は子供の頃に写真で見たという、この夢を実現するために全身緑のタイツを着てバッタの群れに飛び込んで行くのである。いたって本気なのである。まさに子どもが大人になったよう。

バッタが全身に張り付いて端々を噛み付くと思うと、想像しただけで痒くなってくるのだが、そんなことを実現したいとは変わった夢のひとがいるものである。

サバクトビバッタの群れを発見して、無事に食べてもらえるのか。夢を叶えることができるのか。その結末はちょっと楽しくて少し悲しいものでした。

 

好きなことで生きて行けることの羨ましさ

「好きなことで生きて行く」と言うメッセージとともにユーチューバーなる職業が子どもに人気らしいが、いや、本当に好きなことで生きて行くということは、こういうことなのだろう。

寝食を忘れて研究に没頭し、時間が経つのも忘れてひたすら謎を追求して行く。

しかし、どんな人でも霞を食べて生きては行けない。なので、きちんと大切な科学的なのとをしている人が不安なく食べて行ける仕組みを作るべきである。

「好きなことしてるんだから給料が安くても文句言うな」みたいな論調は認めるべきではない。自分が好きなことで生きて行けないのは、そこまで好きではなかったのか、そこで生きて行く覚悟がなかったからなのだ。

わたし自身そうである。

なんとなく大学に行き、なんとなく人気の企業にエントリーして、なんとなくイメージが良くて給料がソコソコの会社に就職して、仕事にやりがいなんてなくて生きている。

そう、こんなに自分の好きなことをやって生きている人が羨ましいのである。人は自分ができなかったことをできてる人間に嫉妬し、足を引っ張りたがる傾向にある。

だが、そんな他人の足を引っ張る生き方でなく、素直に応援できるようになりたい

微々たるものであるが、本を買ったり、寄付をしたり、Webサイトを見たり、といった些細なことしかできないけれど応援してあげたい。

そして、自分の子どもには、そういう生き方をして欲しいと願い、この本を読ませてみようと思う。

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