読書:暗闇のアリア(真保裕一)はスッキリしない読了感

真保裕一の新刊「暗闇のアリア」が出ていたので読んでみた。

スポンサーリンク

暗闇のアリア あらすじ

ある経済産業省のキャリア官僚が自殺した。

死ぬ前に家族に遺言ともとれる電話を残し、口座にはインドネシアにある架空会社からの入金があった。

警察は早々に自殺と断定するも妻が納得しない。警察に何度も再捜査を依頼するも断られ、週刊誌記者の立場を使って独自調査を開始する。

徐々に自殺ではなかった可能性が浮上するが、すぐには犯人の目星も動機も分からない。

夫がなぜか大学時代の後輩経由で連絡を取っていた会社、不倫相手の元旦那が外交官として赴任していた国、少しずつ糸が繋がってきたとき、犯人の最後の殺人が決行される。

 

暗闇のマリア ネタバレと感想

次から次へと新しい人物や背景が増えていく展開の速さに付いていくのがなかなか大変である。

が、読了後の感想は、「え、これで終わり?」であった。

結局、殺人鬼である梶尾の殺人方法も最後の殺人のときに注射である雰囲気だけ匂わされ、具体的にどのような薬をどう注入すると自然な心筋梗塞として処理されるのか明かされず、他の首つりや海への投身自殺もやり方が分からない。

警察でも詳細な再調査を行った結果、鉛筆での手書き遺書が偽物である可能性が示唆されるが、これもどうやって実現したのか不明、家族に電話しているときの音声作成方法も不明、と分からないことだらけなのだ。

で、最終的に殺人鬼になった目的である暴力団組長の殺害は無事に完了するわけだが、そこに至るまで本当にそんなに遠回りしつつ自分を探そうとしている人間を全て殺す必然性が分からない。

なぜ海外に行ったのか。なぜ海外で死んだように見せ掛けたのか。海外で死んだように見せ掛けた後、どうやって日本に戻ってきたのか。

もう何か謎が多すぎて読了後にまったくスッキリしない。モヤモヤ感が残りまくり。

 

そもそも、夫婦関係が冷え切っていて、夫は不倫しているのに、死んだ途端にムキになって自殺でないことを証明したがる妻が不自然である。死んでくれてせいせいする、ってのが基本かと。

その夫の不倫相手に会いに行った警官が非常に人間くさい。エリート官僚になったらこのクラスの女と不倫できるのか、男の価値は抱ける女のレベルで決まる、この女はベッドでどんな声を出すのか、とかもうダメすぎて笑える。いや、男の価値ってそんなところで決まるわけないだろ。いや、意外と単純にそんなものなのか?

などと下世話な部分の話は少し面白かった。

真保裕一さんには、早く「ホワイトアウト」や「奪取」みたいな早い展開の小説を期待したい。

 

[amazonjs asin=”4041057000″ locale=”JP” title=”暗闇のアリア”]

[amazonjs asin=”410127021X” locale=”JP” title=”ホワイトアウト (新潮文庫)”]

[amazonjs asin=”4062645661″ locale=”JP” title=”奪取(上) (講談社文庫)”]

[amazonjs asin=”4062646315″ locale=”JP” title=”奪取(下) (講談社文庫)”]