読書「メシマズ狂想曲」秋川滝美

メシマズ、という言葉を最初に聞いたのはどこだっただろうか。

記憶を辿ってみると、2ちゃんねるの既婚男性板「嫁のメシがマズい」スレのまとめを見たのが初めてだった気がする。

秀逸なスレタイ、そしてエースコンバットのオープニングをパロディにした動画がめちゃくちゃ面白かった。

 

さて、そんな「メシマズ」というタイトルに惹かれて手に取った「メシマズ狂想曲」。

主人公は34歳、独身、会社員、女。仕事が忙しくて給料が良いことを理由に自炊せずに外食だらけの日々。

が、最近受けた健康診断の結果は「メタボ予備軍」

これはイカンと一念発起して自炊しようと決意したところに、同期入社の腐れ縁男子との料理バトルの日々へ。

 

一人暮らしをしていた時期にたまに料理をしていたので、少しは料理の楽しさと難しさが分かるのだけど、なぜメシマズの人たちは料理の本を買わないのか。

「基本の和食」というタイプの本を買って、簡単なところからレシピ通りに作れば良いのに、あえて難しい料理をネットでレシピを検索してやってしまう。

その辺の「なぜメシマズになってしまうのか」という背景がたくさん出てきて、「ああ、そりゃメシマズになるよな」という納得のエピソードが盛りだくさん。

男女問わずメシマズになる人たちの生態が少し理解できた気がする..

それにしても、成功しても失敗しても、料理の描写がすごく上手で頭の中にすごくイメージができるのである。いやー、夜中に読むとお腹が減って仕方がない。

 

ストーリーの結末は、もう序盤から既定路線で決まっていたとおり。特に驚きもなく予想通りでした。

この物語は、主人公の恋の行方よりも、ところどころに出てくる料理の描写を楽しむものだと割り切るのです。

結婚してから随分と台所に立たなくなったけど、久々に何か料理してみようかな。

そう思わせてくれる面白い一冊でした。