ドイツ人の働き方と余暇の過ごし方から学ぶ他人への寛容さ

雑記

ドイツのデュッセルドルフに仕事で2週間ほど滞在してました。ドイツも例年にない猛暑とのことでしたが、日本よりは涼しく過ごしやすい気候でした。

ドイツ滞在中、ドイツ人の働き方と仕事後の家庭との時間、余暇への考え方を色んな人から聞いて思ったことをメモ。

日本人も働き方というより考え方を少しずつ変えられたらな、と思いました。

仕事は週37時間

法律で週37時間までの労働が決められているらしく、みな労働時間を自分で調整しながら働いている。

裁量労働制を週単位で実行している。たとえば、月〜木まで8時間働いたら4日間で32時間、金曜日は5時間労働になる。こんな感じである。

多くの人は朝早く8:00過ぎに出社して16:30頃には帰って行く。18時までいると「今日は遅くまで頑張った」みたいな感覚である。日本人社畜としては何を言ってるんだ君たちは…なのだが。

そして、金曜日はもっと早く帰る。昼過ぎからはみんな早く帰りたくてソワソワし始める。

金曜日午後には会議を入れても無駄だから入れない、とはマネージャーの言葉。もう金曜日は週末気分なのである。

では、彼らが仕事の手を抜いているか、と聞かれると決してそんなことはない。真面目な国民性なのか、博士号所持者が多いからか、早くはないが確実に仕事をこなして行く。

この週37時間労働は日本でいうところの組合員が対象で、マネージャー以上の管理職には当てはまらないのだが、基本的にマネージャー陣も帰るのは早い。つまり、みんな帰るのが早い。

仕事後は家族との時間

平日の夜なのにレストランには家族連れがたくさん。

みなビールやワインを飲みながら家族との会話を楽しんでいる。そこには子どもがいることもあり、ノンアルコールのドリンクを飲みながら会話している。

日本のようにスーツを着たサラリーマンのオッサン達が飲んでいるような姿はほとんど見かけない。そもそも職場にスーツで行く人が少ないこともあるのだろうが。

そして、オープンテラスの店には犬を連れて来ている人も多く、犬はテーブルの下に大人しく座り、家族と一緒にのんびりしている。シーズーのような室内小型犬もいれば、ジャーマンシェパードのような大型犬まで。そのことに誰も何も文句を言わない。だって、そういうものだと皆が理解しているから。

ドイツ人は家庭であまり料理をしないのだそうで。共働きが増えていることもあり、仕事が終わったら合流して家族で晩ご飯を食べて帰る。そんな過ごし方をしているとのこと。

訪問したのが夏だったこともあり、短い夏を楽しむように店内ではなくオープンテラスの店で楽しんでいたのが印象的でした。

なお、アルトビールは何も言わなくても勝手にお替わりが来る。わんこそば、ならぬ、わんこビールである。これ、最強。

仕事のために生きるなんてバカバカしい

仕事は生きるための手段であり人生の目的ではない。仕事のために生きるなんて、他に目的とかやりたいことないの?という感じみたいである。

食事のときに仕事の話なんて全くしない。会話は家族のことやプライベートでの趣味の話が中心。サッカーワールドカップも出て、日本代表が素晴らしかったとか、そんなお褒めの言葉ももらったりした。もちろん、ドイツ代表の話はまったく触れることなく終わったのだけど。

他にもお酒の話や趣味のマラソンの話が中心だった。一週間以上、毎晩のように一緒にご飯を食べたけれど、誰とも仕事の話をしなかった。

仕事が終わったらとっとと帰る。無駄な残業はしない。夏の休暇は2週間。まず年の初めに夏期休暇の計画を立て、それに向かって仕事を調整していく。

バカンスの時期は家族で旅行。「来週からバカンスなんだ!」と話していた同僚は本当に楽しそうだった。この暑いデュッセルドルフ市内を脱出して家族で海に行くのだそうだ。

仕事の取引先に連絡して「彼は休暇中だよ」ということになったら「それなら仕方ない。戻ってきてから進めよう」となる。そう、自分だって休みたいし休むのだから。

これが日本なら「休暇中でも急ぎだから何とかしろ」みたいなクレームが入ってくるところ。まあ、たいていは急ぎでも何でもないんですけどね…この手の話は。自分が知りたいってだけで。

働くことと日本の不寛容さ

正しい正しくない、の話ではなく、ドイツと日本では仕事への考え方や仕事後の価値観がまったく違うことを思い知った。

すべてのドイツ国民が同じな訳ではないだろうが、民間企業の考え方はおおよそ似ているのではないだろうか。

このような働き方をしていながらBASFやBayer といった世界的な製薬メーカー、化学メーカーがあり、メルセデスやBMWといった自動車メーカーもある(VWの不正については、ドイツ人としても苦々しく思ってる部分があるようで)。

単純に考えれば生産性が高く効率的な仕事をしている、ということになるのだろうか。

今回、滞在中にクライアントにアポを取っていたのだが、行ってみると風邪で休みであった。日本から技術者が訪問すると伝えてあったにも係わらず。

それでも「残念だけど仕方ないね。また来るよ!」と言って帰ってしまう。

どうやら相手に対してとても寛容的なのではないかと思った。

自分だって休暇は取りたいし風邪で休むこともある。だから他人に休まないことや自分の希望を強要するのは権利の侵害というか、そもそも強欲なのではないか、くらいの感覚なのだろう。

それに比べて、日本はなんだか不寛容だなと思った。相手に対して過度に求め過ぎなのではないだろうか。自分の思う通りに進まないと相手のせいにする。相手は自分のために動いて当然だ。こんな考え方が多過ぎる気がする。

仕事は仕事できちんとやる。でも、それは必要なことだけをやればよく、無駄なことはやらない。そして早く帰る。それは自分自身の人生のためであり家族のためである。

自分の人生は何のためにあるのか、働くということは何なのか、自分はどう仕事と向き合っていくのか、考えさせられる出張だった。

ドイツ人的な働き方をしたいな、と思っても一人ではできないので、少しずつ、自分のチーム内だけでも考え方を変えて行きたいものである。

「働き方改革」の前提条件として、他人に対する寛容さを身につけるべきなのでしょう。