【読書】いけない(道尾秀介)

タイトルの「いけない」は日本語だと「~してはいけない」、英語だと「do not」で、本書内の短編はすべて「気付いてはいけない」などのタイトルが付けられていて、最後まで読むとタイトルの意味を知ることができる仕掛けとなっている。

短編3章+エピソードの全4編は、第1章の自動車事故から延々と話が繋がっていく。後半は事故から数年経過した街が舞台であるが、すべては自動車事故から始まった物語なのである。

第1章、犯人の若者が石で撲殺されたが、まさか犯人が最初の車の運転手の被害者だと思わなかった。いや、死んだんじゃなかったのか、と思ったが、たしかに自動車事故で重傷だったとしても、ハンドルに顔面を強打されたくらいで死ぬかな、と片隅に引っ掛かったのは間違ってなかった。

それにしても、「死者は存在する」という描写ばかりだったので、すっかり運転手が亡くなったのだと思ったが、まさか助手席に人がいたとは…ノーヒントだったような気がするが、どこかに気付ける余地ってあっただろうか。

第2章はエピソードに繋がるショートコントみたいなもの。うーん、しかし、白い謎の物体の正体は不明のままである。にしても、物語が終わった後の扉絵が本文中のシーンを紹介するだけでなく、そのトリックというか「あっ」と思わせる1シーンが入っているのが面白い。なるほど、お前、そんなときにそんなことしてたんか、と。

第3章はまったく分からなかったが、また扉絵ですべてが明らかになる。殺人のトリックが不動産屋にバレそうになり、手帳に書かれたヒントを書き潰せる人間は一人しかいない。にしても、そもそもなんで勧誘部長の女性は殺されたのだ?すっかりその謎を解き明かすのだと思っていたが、それはお蔵入りか。

まあ、その理由はきっと宗教団体内部での抗争ってことなのだろうけど、最終的にそれらすべてに関わっていたのが豪の深い警察官だというのがだから、闇が深すぎる。その結論は驚いた。

結局、本書の「いけない」は「誰のいうこともやることも信じては【いけない】」というある意味では悲しい結末になるのである。

読み進めていくと、あそこがヒントだったのか、という描写があるものの、意外と抜け落ちているというか、そもそもなんで?みたいな部分が謎に包まれたままで少し消化不良感が残りました。

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