【マラソン】LSD(Long Slow Distance)の練習方法と期待効果

コロナの影響もあって衰えた肉体をフルマラソンのみならず、ウルトラマラソンやトレイルランニング向けに作り直すことにしました。以前からキーワードは知っていたものの、どのような練習方法でどんな効果が期待できるのか調べてみました。

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Long Slow Distance 長くゆっくり遠くまで

LSDはLong Slow Distanceの頭文字を取った呼び方ですが、夜の街で連呼するキーワードではなさそうです。頭文字をそれぞれ解説すると、

  • L; Long 長い時間
  • S; Slow ゆっくりと
  • D; Distance 距離を

となり、長時間ゆっくりと距離を踏む練習ということです。どの程度やるとLSDになるのか、という話になるのですが、それは個人の実力や力量によって相対的に決めることになりそうです。

【長時間】がどの程度かというと、フルマラソン練習用としては2時間を標準として、最終的に3時間以上が望ましいとのこと。ただ、初めてのフルマラソンに挑戦する人であれば、まずは1時間半(90分)でも十分とのこと。理想はフルマラソンの目標タイムまで走ることになりそうです。

【ゆっくり】のペースとしては、自分のレースペースの1.5~2倍程度が目安とのこと。私の場合はフルマラソン3時間30分が当面の目標なのでキロ5分。その1.5倍としてキロ7分30秒辺りが設定タイムとなります。

【距離を】どの程度走ればいいのか、ということになりますが、走る時間とペースが決まれば自ずと走行距離が決まります。たとえば、キロ7分30秒で2時間走ると16キロという計算です。

LSDの期待効果

LSDにはどのような効果が期待できるのでしょうか。マラソンはサブ4でも5分40秒/kmペースで走る必要があるスポーツです。LSDのようにゆっくり走ることでマラソンの強化になるのでしょうか。LSDを推奨する書籍などによると、主な効果は3点ほどにまとめられそうです。

1. 毛細血管が鍛えられ脂肪燃焼の体に

LSDのようにゆっくりペースで運動を続けることにより、心臓が血液を隅々まで運ぶ力が強くなると考えられています。具体的には、全身に張り巡らされている毛細血管が拡張され、毛細血管の活動が活発になるというのです。

これにより、血液中の酸素が身体のすみずみまで運ばれるようになり、長時間強度が高い運動を続けられるような身体になるのです。

無呼吸や呼吸が荒くゼーハーゼーハーするような高強度の運動時には、体内では糖質が優先的に消費されます。一方、低強度の運動時には脂肪から消費されます。

LSDは低強度の運動なので、脂肪を中心に燃焼します。脂肪は糖質よりも燃焼時にカロリーになるので、長時間運動することもできるのです。

この低強度の運動を続けることで、身体に脂肪を燃焼しながら運動する仕組みを教え込むことができるようになり、脂肪を燃焼させやすい身体が作られるといいます。

2. 普段と違う筋肉が鍛えらえる

レースペース走やインターバル走などのスピード練習を中心にやっていると、どうしても走るときに使う筋肉が固定化されていきます。

実際にレースの時に使う筋肉を中心に鍛えることは、一瞬理にかなっているように見えますが、スピード練のペースでフルマラソンと同じ距離や時間を走ったりはしないでしょう(プロなどのトップアスリートはやるのかもしれませんが…)

実際の本番レースでは、スピード練習よりもはるかに長い時間筋肉を動かし続けます。そのためには、スピード練以外で使うスタミナよりの筋肉も鍛えておくことが重要となります。

普段よりも圧倒的に遅いペースで走ることで、違う筋肉を鍛えることが可能になるのです。

3. ケガの予防と回復に

マラソンの練習は怪我との付き合い、とも言われており、月200kmを超える練習量になると怪我の発生確率も上がるとのこと。また、インターバルなどのスピード練が多くなると怪我が増えていきます。

私自身、右足の腸脛靭帯炎、左足の鵞足炎ならびに変形性膝関節症(水が溜まるやつ)を経験しています。いずれの怪我も「これ!」という直接的な原因は特定できていませんが、練習不足で足の筋肉ができていないところに、強度が高い練習を続けたことが原因だったと考えています。

LSDはゆっくりじっくり走って、心肺機能と長時間動くための筋肉を鍛える練習です。ペースもレースペースの1.5倍程度は遅いため、膝や足首などの間接にかかる負担も小さいです。

そのため、怪我を予防するために、まずはゆっくり走り、さらにペースを上げると痛みが出てくるような怪我を抱えている場合はには、痛みが出ない程度のペースでじっくり踏んでいくLSDが有効になると思われます。

LSDを推奨する書籍

ゆっくり走れば早くなる

LSDの古典にして傑作と言われている一冊。女子マラソンランナーの浅井えり子氏がLSD中心で練習して、ソウル五輪代表になったことからLSDという練習方法が注目を浴びたといいます。そのLSDの基本的な考え方と効果がみっしり詰まっています。

ランニングする前に読む本

歩くことや長時間の運動が難しい老人に向けて提唱した「スロージョギング」で皆が健康になり、さらにフルマラソンでも効果があることを自身で実証した故田中先生の集大成的な一冊。「ニコニコペース」で動き続けることが健康面でもフルマラソンの練習でも有効であることを説いています。

ランニングで痛めた足はランニングで治す

ランナー向けの治療を中心に行っている鍼灸師が書いた一冊。怪我を治す、それよりも、そもそも怪我をしない練習方法にも触れている。平日は痛みが出ない程度のLSDペースでとにかくじっくり走って疲れを取る、いわゆる「疲労抜きジョグ」を練習の中心に据えるべきである、というLSD中心の練習を提唱している。

まとめ

LSDの効果を調べていると、同時にLSD不要論を唱えている人もいました。

マラソンの練習方法は人それぞれで、肉体のつくりや年齢も違えば、目標も異なるので最適解を常に探しながら自分で人体実験することに楽しさがあります。

中学生の駅伝チームの練習ではLSDが大嫌いで、なんでこんな練習やるんだろう、とその必要性も認識せず、まじめに取り組んでいませんでした。速く走る方が楽しかったですし。

しかし、様々な人がLSD中心の練習で効果が出ていることを考えると、決してトップアスリートを目指す訳ではない市民ランナーに向いていると感じるようになりました。

ためしに1時間程度やってみると、これが意外に難しかったです。油断するとフォームが崩れてしまい、変なところに力が入ってしまいます。呼吸が乱れるようなペースではありませんが、長い時間ゆっくり走るにはコツがいりそうです。

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