【読書】本日はお日柄もよく(原田マハ)

本日はお日柄もよく。

結婚式のスピーチでよく聞く台詞である。自分でもスピーチのときに使ったことがある常套句である。というか、これは「言わなければならない常套句なのかな」という想いすらある。でも、基本的にスピーチは苦手だ。何を話せばいいのかわからない。

本書はスピーチ、というか『ことば』を扱う人たちの熱い物語。

言葉なんかで人を動かすことができるのか、と言われると過去には日本だけでなく海外でも今でも残る伝説のフレーズは沢山ある。人類は言葉を操る存在であり、言葉によって感動もすれば怒りもする、団結もすれば呆れ返りもするのである。

伝説のスピーチライターと呼ばれる人の元に弟子入りしながら、悩み歩んでいくものの、最後は飾った言葉ではなく、あらゆることを経験して乗り越えた人が振り絞るように話す言葉が人の胸を打つのである。

最近は、どうにもテレビでまくし立てるに、何でも断定的に話す人が持て囃される傾向にある気がする。本来、世の中に断定できるものは少なく、思慮と検討が必要なことが多いので曖昧な回答をする人が多く、そういう人の揚げ足を取る人が増えた気がする。

そうじゃない。キーワードや耳心地の良い言葉を話す人を持ち上げればいいのではない。言葉は大切なのだけど、その使い方が大切なのだと気付かされる一冊。

しかし、どんなスピーチでも唯一許される文言がある。「本日はお日柄もよく」という一文は、これからも結婚式では常に使い続けていたい。

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