読書「トラジャ(西岡研介)JR「革マル」30年の呪縛、労組の終焉 」労働組合とは何のために存在するのか

現代からは信じられないが、これは事実でありノンフィクションなのだ。

「革マル」こと革命的マルクス主義同盟に傾倒した労働組合員が会社を中から破壊していく。

国鉄という自ら望んで公務員になったはずなのに、常に世の中は支配階級と労働者階級があり、自分たちは奴隷であり、この階級社会を解放しなければならないのだ、というある意味強迫観念に近い狂気が進んでいく。

最も驚いたのが、本書でも中心的な役割を担う松崎氏である。国鉄に入社後、労働組合に入ったが懲戒解雇になったのち、「首なし専従」として組合闘争を指揮するのである。

そもそも公務員に労働組合が存在すること自体が不思議なのに、組織を解雇されたのに専従組合員として存在できることである。もう、何が何だか分からない。

国鉄が民営化されてJRになってからも続く会社と組合との闘い。徐々にその力を削いでいく会社側の今期と長期戦略も素晴らしいが、なぜに組合側は一枚岩になれず、失敗しては「総括」と称して内ゲバして自滅していくのか。日本赤軍やあさま山荘事件と似ている。

いまだに春闘といった労使協定に関するイベントは残っているが、昔は毎年のように国鉄がストして父が通勤に困っていたのを覚えている。

会社として労使一体となって会社や世の中を良くしたい、というのではなく、単なる身勝手な行動にしか映らなかったのが、最近の若者との組合への無関心に繋がっているのだろう。

労働組合をうまく裏から操って会社を内側から破壊して足を引っ張る、という戦略はある程度成功したのかもしれない。しかし、最近は国内外での競争が激化していることから、社内で足を引っ張りあってる場合じゃないだろう、という意識の方が強いのではないか。

日本国内の組合闘争の歴史を知る貴重な一冊。これを読めば労働組合の基本思想を理解できる。

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